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2022年2月28日月曜日

ウクライナ作家安否/レムール・ルリのメッセージ(2/27)

リアルで不思議な生き物を制作するレムール・ルリことゴルブさん(ジュリア・ゴルブさんではありません)は、ウクライナでも早くから侵攻が始まったルガンスク州に住んでいます。
状況はキエフとはまた異なるでしょう。自宅には戻れない日が続いているようです。近所の人と共同の避難所にいると思われます。そういうところではWi-Fiや電源が乏しく連絡がとりにくい状況でしょう。

彼女からは早々にFANTANIMA!出品を諦めた連絡があったので、ウクライナの作家のためになんとかするから諦めないで欲しいと返事をしました。
そしてその気持ちをウクライナの作家全員に送りました。
こちらはその手紙への返事になります。

彼女は今年出品する作品のイメージを昨年のうちに送ってくれていましたので文末に掲げます。兎や蛙など他の動物のスケッチもあるので、それらに取り組んでいたと思います。

レムール・ロリさんのメッセージ

お返事が遅れてごめんなさい。
私達は無事です。そうだと思います…
私達は献血をし、順番で睡眠をとっています。でも元気です。
私が(FANTANIMA!を)諦めようとしたのは、〆切に間に合わなくて失望させたくなかったからです。
でも〆切が延びて、戦争が終わるなら、私はもちろん制作に戻ります!そうなることを祈ってます!本当にそうなりたい!アートは私の人生です!
できるだけ早く、そういう日に戻れることを夢見てます!
残念ながら今のところ、自宅に行くことができず、作品の写真を撮ることができません。あと数日したら撮影できるのではないかと思います。

日本の皆さまには感謝しています!ウクライナから、ありがとうございます!!
皆さんは私達から遠く離れたところにいますが、心はすぐそばに感じます!
世界も日本が経験した悲劇をよく覚えています。だから日本の人も私達のことを分かって応援してくれるだと思っています。
本当にありがとうございます。 

 



2022年2月27日日曜日

ウクライナ作家安否状況

ウクライナの作家たちは、それぞれにSNSで状況を知らせています。
SNSへのコメントや反応は、小さな言葉でも大きな励ましとなるそうです。

ウクライナの作家への応援は、「ウクライナの人形とベア作家への募金サイト」

ここに掲載されている作家たちも、この募金サイトから直接寄付金が届けられています。

参加作家達の安否情報 4月8日更新

 【キーウ】
Anna Miretska ミレツカ・アンナ *作品は届いてます!
娘とポーランドに逃れて無事。ポーランドで就業許可や娘の幼稚園入園、健康保険を受けられるように手続きを済ませました。でも家族はウクライナに残っていてとても心配。
EvaMaria カロ・エヴァ
 自宅に留まることを希望してますが、退避も最後の可能性として考えています。毎日日記をSNSで公開しています。 *作品は到着しました
Golub Julia ゴルブ・ユリア    キエフ郊外の親戚宅に逃れて無事です。しかし避難のときには自分の身の回りのものしか持ち出せず、今も生き延びることが最優先。残念ながら今年の参加はできそうにありません。来年参加できることを祈っています。(3/30時点)出品キャンセル
Nichyk Kateryna ニチュイク・カテリナ ウクライナ西部に避難して無事です。作品を発送することができました。*作品は輸送中
Valentyna Kostetska コステツカ・ヴァレンティナ
 避難していた郊外の家が火災にあいキエフに戻り猫と共に無事です。元気にボランティアでバッグなどを制作しています。*作品は届いてます!
Suliz スリズ・タチヤナ (4/5更新)今は西ウクライナの一軒家に避難しています。名付け親となった子達や、ご主人、猫、犬2匹と亀1匹を連れて避難生活を送っています。暖房がないので、毎日薪集めなどの仕事が大変そうです。早くから侵攻されたコノトプという地域に残した両親をとても案じています。最近、両親の家の窓に弾痕があり、その画像を公開しました。
MilaZ ミラズ  ウクライナ中央部に避難して無事です。夫と兄弟はキエフにボランティアのために戻りました。 *作品到着しました!

【オデーサ】
BakeNeko ジャコノヴァ・アニヤ (4/5更新)ベルリンで無事に避難生活をしています。現地の人達の温かい支援で生活は落ち着いてます。地元のジムがウクライナの人に無料開放したのを利用するようになり、精神的に少し落ち着く機会を得て、関西展のための制作をはじめました。しかしウクライナのニュースを見る度に気持ちが塞ぎ、思うように仕事が進まないそうです。材料の調達は、オランダの人形作家マーレン・フェアヘルストが協力してくれるkとになりました。

【ハルキウ】
Cocoon toys(初参加) ハリコフを離れ列車で避難しました(3/14付)。引き続き支援を求めています。自身のオンラインショップでデジタルポストカードを販売し、寄付金を募っています。*作品を発送することができました! 2〜3ヵ月かかる模様ですが、輸送中です!
Tais Remans レマンス・タイス ハルキウに留まっています。夫や名付け親となった子供達全部で6人と2匹の犬と一緒に支え合いながら、平和を祈る毎日です。Wi−Fiがつながりにくいですが、つながった時は無事を知らせてくれます。人道支援のボランティアによる食料と飲料の差し入れで助かっているそうです。3月22日が誕生日でお祝いを送りました。短い返事が来ましたが、応答がしにくくなっているようです。(4/5更新)今はご主人と一緒に、ボランティアで医療品や食料の買い出しをして人々に届ける活動をしながら、なんとか頑張っているそうです。人々の寄附のおかげで助かっているとのことです。本人もデジタルカードの募金を検討しているそうです。「ウクライナの人形とベア作家への募金サイト」から応援を予定しています。

【ルハンシク】
Lemur Lori レムール・ロリ 作品を仕上げる前に爆撃が始まり出品を諦めていましたが、呼びかけにより、制作と発送の機会がきたら必ず取り組んで日本に送る約束をしてくれました。寒い地下のシェルターに避難し爆撃を避けています。家族やペットは無事だそうです。
(→3/19)居住地はロシア軍に占領され、外にはロシア兵がどこにでもいるので外出は必要なものを取りに行くだけの最低限に留めているそうです。食料と飲料は人道支援で足りているそうですが、必要な薬品類がなくなってきているそうです。母親が家に留まることを決めているので、避難をしないそうです。
FANTANIMA!に出品できなくて本当に残念だというので、FANTANIMA!はウクライナの作家の作品が届くまで待っていると伝えました。(会期が終わってもなんらかの方法で作品は展示します。)
(4/5更新)町は以前として閉鎖されていて、町の外に出ることができません。郵便局、銀行も開いていません。インターネットもInstagramしかつながらなくなりました。しかし、水、電気、食料はあるので、大丈夫です。「ウクライナの人形とベア作家への募金サイト」から応援を予定しています。

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カロさんの日記は日々画像つきで更新しています。
こちらでもできる範囲でご紹介していきたいと思いますが、最新版をご覧になりたいかたはこちら

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キエフにいるカロさんの日記 「戦争3日目」

戦争になって3日目。もう1ヵ月も過ぎたような感じがする。
そのあいだにわかったこと、スキルアップしたことはなんでしょう?

・世界中の人がシェルターを用意するから、と声をかけてくれる。なんて素晴らしい、感謝の気持ちでいっぱいです! でも私は「私たちの」国、家、地域から離れたくないのです。

・着替えが早くなった(新しいスキル)
・歩く距離が長くなった、なぜなら危険地域を避けなければならないから!
(新しいスキル)
・在庫が半分になった混雑するスーパーで、ヘルシーで必要なものを見つけて買うのが早くなった。
(新しいスキル)
・時間がなくて仕事ができなくなった。新しいルーチンは:ニュースを読む、すべての友人、親戚との連絡、犬の散歩、食事、避難所との往来、買い物、料理、洗濯、時には開いているスーパーマーケットを探して食料を探すためにジョギングする、それで1日が終わってしまう。

・キエフを離れた友人が聞いてくる。夜はなんとか眠れる?と。答えるのがちょっと恥ずかしいけど、よく眠れてる。6、7時間、たぶん8時間も。3時から4時くらいには一度起きて携帯でニュースをチェックする。キエフがちゃんと守られていることを知って、そしてまた6時か6時半まで寝てしまう。

・食べるものがある?飲み水はある?照明はある?と聞いてくださいよ。ええ、残念ながらクルミは切らしているけど、アーモンド、バナナ、林檎、魚、チーズ、アボガド、セロリ、コーヒーとクリーム、朝食用の卵はあります。軍用の食事ではないですね。

こんな安全な夜や食事がいつまで続くかわからない。今は働いてお金を稼ぐこともできないし。

でも大丈夫。なぜならこういう些細な不便は覚悟していたから。この自分たちの家、アイデンティティー、そして未来のために。

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BakeNeko ジャコノヴァさんからのメッセージ

─日本で心配してくださるすべての皆さまへ─

私は元気です。友達と一緒にバスでベルリンに向かっています。
私を思って下さる皆さまの気持ちは自分にとってとても大切なもので、こんな時でも気持ちを安定させることができました。
ウクライナに残っている家族や友人は心配ですが、私が安全な環境で精神的に安定して仕事をしたほうが役に立てると思っています。もちろん必要があれば、愛すべき人たちを助けに行きます。
この戦争は、ロシアの一般人や私の友人達をひどく傷つけています。世界からの避難や制裁が、戦争を選ばなかった人達の身にふりかかるのです。
私はできるだけ多く発言してその人達を支えてあげたい。
一緒に立ち上がり、元の生活に戻れるようにしましょう!
感謝とハグを送ります。
愛をこめて。あなたのBakeNekoより。

 

ベルリン行きのバスで(ルーマニア国境近く)


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カロさんは、毎日のことを記録していくそうです。
被害や避難生活の状況は個々によって異なると思います。また日を追うごとに、ここに書かれているように変化していくことでしょう。
被害が広がらないうちに、ウクライナの早く日常生活を取り戻せるよう祈っています。(羽関)

ファンタニマ!2022 出品作家リスト

 FANTANIMA!2022の出品作家リストです。

しかし、先日からのウクライナ危機より輸送・送金に著しい影響が予想されます。
ロシアからは経済制裁による決済への不安から、早くも出品辞退をする作家もでてきました。一方で、リスクを覚悟で各国の作家が国境を越えて展示をするFANTANIMA!に、改めて参加同意してくれる声も次々に寄せられています。

予告フライヤーで発表しているリストの変更、また今後の変更や状況を、こちらのリストで随時更新させていただきます。

ブランド名-作家のファミリーネーム(一部通称あり)
※ブランド名は本人申告の表記のまま掲載しています。

情報 4月15日更新

海外

ロシア   
7cvetik クリベンコ
Aleshina アリョーシナ
Alla Batina バティナ(初出品)
Anastasia Kuptsova クプツォヴァ
Angella Chaika チャイカ(初出品)
Anya Ananyeva アナニエヴァ 
APOSTERIORI キルモヴァ  
bozhena dolls バジェノヴァ 
BREZHNEVA ELENA ブレジネヴァ
Deercat ラキポヴァ 
Diorka ドゥロズドヴァ
Dollechka ドールチカ
DOM NA KOLECAX ドム・ナ・コリョーサフ
Ekaterina Romanova ロマノヴァ
evelaga エヴェラガ  
gombashart ゴムバッシュ 
Irina Salimzyanova サリムジャノヴァ  出品中止
irina_shaina シャイナ(初出品)
Katy Rein レイン
KiraBarsDolls キラバーズ
Krizalit クリザリト 出品中止
LAPKA ラプカ
Maya Khokhlova ホフロヴァ
Mish-Ka エレミナ出品中止
NatalyTools トルスティキナ
Oksana Muratova ムラトヴァ
Olga Solodova ソロドヴァ
Olga Vedyagina ヴェジャギナ出品中止
rezanovasveta レザノヴァ
Serykh Tatyana セリィフ 輸送中
Silk_bird ヴォロニナ
T.BLANCA ベロシュクルスカヤ
Tasha Vasilek ヴァシレク
Textile heart サイフィディノヴァ
toys_shalai シャライ 出品中止
VARVARICA クルトヴァ 
Vashkevich Elena ヴァシュケヴィッチ(初出品)
Vera Toys ヴォルコヴァ
Vera Vlasova ヴラソヴァ
vizubik ラザレヴァ(初出品)
Zhirenkina Alena ジレンキナ
Zimnitskaia Tanya ジムニツカヤ
Sveta and Masha Zabrotskie ザブロツキー 

ウクライナ   
Anna Miretska ミレツカ
BakeNeko バケネコ
Cocoon toys リスニチャ(初出品) 
EvaMaria カロ 
Golub Julia ゴルブ出品中止
Lemur Lori レムール・ロリ 写真参加
MilaZ ミラズ 
Nichyk Kateryna ニチク
Suliz Studio Perestudio スリズ
Tais Remans レマンス 写真参加
Valentyna Kostetska コステツカ

エストニア   
Jevgeni Bulahtin ブラーティン
-MI- ダヴィデンコ
Nadezda Uibopuu ウィボプー
studio 14 モフリャコヴァ 
Travel Bears/Kadrioru Karud ラウツェプ 
Viktoria Golubeva ゴルベヴァ

ベラルーシ   
Alena Kh. アリョーナ・Kh 
Antonina Kozitskaya コズィツカヤ
mandragora-root ロマンチェンコ
Milazemlia ゼムリアコヴァ(初出品)
Prashkovich Yulya プラシュコヴィッチ
Rita Ku クズニツォーヴァ
svetbears スヴェトベアー

ラトヴィア   
Kristine Kligina クリギナ

カザフスタン   
Nadya Kravchenko クラブチェンコ(初出品)

ドイツ   
Fox-in-boX イウニナ

スペイン   
ElGusDoll グセヴァ(初出品)

日本

R.K.K
亞鳥舎
ayaguma
飯野モモコ
ウエノミホコ
M*B*F
大西 けい
oxana
KINOPI→S
Kimikogongon
クサボン
クムソルト
K's BEAR by.keiko
cochica    (風らい坊)
コリスミカ
SCI-beans イシイリエコ
shiro
しろくろや
新家智子
Studioyoyo
題府 洋子
高野香織
中澤忠幸
なかのいくこ
成瀬麻里子
Noe/高橋野枝
不思議屋
Bear*Reinett
ぼけぼー
Mile Paxton
マツノハルミ
maru
ミヤタケイコ
ゆうさくでげす
横道佑器
よねやまりゅう

2022年2月25日金曜日

東京展 予告フライヤーと緊急メッセージ

 

FANTANIMA!2022の東京展の予告フライヤーができました。
(テーマロゴの「wonder」は暫定デザインです。)

今年の開催の初日は水曜ではなく、4月28日(木)です。初日前半は昨年のように入場予約制をとりたいと思っています。
入場予約の受付など詳しい案内は、追ってこのブログや3月中に公開予定の公式ウェブサイトでお知らせいたします。

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ところで、このフライヤーを制作している頃からウクライナ危機の情報が流れ始めてました。
今年はウクライナから11人の作家が出品を予定しています。仮フライヤーを拡大して参加作家名をご覧になれます。

海外の作家には2月末日までの作品発送を推奨しているのですが、21日に緊急メールでウクライナの作家たちに発送を早めるお願いをしました。3人の作家は既に発送を済ませました。しかし他の作家はまだ郵便局が速達を受け入れているから大丈夫と楽観的だったようです。しかし24日のニュースで空港が攻撃対象になったと伝えられているように、ウクライナからの航空輸送は現在すべてストップしてしまったそうです。

11人の作家はキエフ、ハリコフ、ルガンスク、オデッサなど攻撃対象の地域に住んでいます。数人の無事は確認しましたが、非常食を用意していつでも避難できる体制をとったり、空爆を目にして地下に避難したりしなければならない状況だそうです。

通常ならどの作家も月末の発送にあわせて制作の追い込みをしている時期です。生存が脅かされる状況での不安はいかばかりかと思います。
ウクライナの作家の安否は引き続き確認していき、励ましたいと思います。

なかでもレムール・ロリの住所は紛争地域のルガンスク州です。彼女は今年のFANTANIMA!のために昨年末に意欲作のスケッチを送ってきていました。その制作に追い込みをかけていた頃なのでしょう。そのような状況なので出品を諦めなければならない、本当にとても残念ですとメールがきました。

とんでもない、諦めないでほしい!

たしかにFANTANIMA!東京展でのウクライナ人作家の作品の出品については悲観的な状況ですが、FANTANIMA!は彼らの出品をキャンセルしたくはありません。
なんらかの形で必ず「参加」してもらうようにします。
どのようなかたちになるか、考えます! また発表します!

また、FANTANIMA!ではウクライナの作家を支援、擁護することが、ロシアを非難することになってはいけないと思っています。この事態に心を痛めているロシアやベラルーシの人達がたくさんいます。彼らも静かに平和へのメッセージを発しています。

FANTANIMA!に国境はありません。
可愛くて不思議な生き物の姿を生み出すアート、それを愛する世界の言語は共通です。

ウクライナもロシアもベラルーシもそのほかの国々も、それらの作家たちの作品がFANTANIMA!に集って仲良く日本の皆さんの笑顔を誘う。
2022年のFANTANIMA!を、そんなパラダイス・モデルにしたいと思います。
 

FANTANIMA!2022を、どうぞよろしくお願いいたします。

FANTANIMA!企画主催 羽関チエコ